氏家美穂被告が、かすみがうら市のアパートで夫を殺害、コンクリート詰めにした事件の裁判で、懲役23年の判決が下りました。
検察側は公判で、「子どもを巻き込んだことは悪質だ」と非難しましたが、子どもが手伝わされたという供述は、夫を殺害したという以上に、聞く人にショックを与えるものでした。
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コンクリート詰め殺人事件内容
事件は、茨城かすみがうら市のアパートで昨年7月、この部屋に住む会社員、氏家昇さん(当時33歳)の遺体が見つかったというもの。
妻の氏家美穂被告が、夫の行方不明の届け出後に離婚届を偽造。不審に思った捜査員が、アパートを取り調べ「夫はどこか」の問いに、氏家被告がクローゼットを指さし。
娘のへのクローゼットから、袋に入った夫の遺体がコンクリート詰めとなって発見されました。
氏家被告に懲役23年
この事件の裁判員裁判で、水戸地裁(寺沢真由美裁判長)は5日、殺人や死体遺棄などの罪に問われた妻の氏家美穂被告に対し、懲役23年を言い渡しました。
殺害の前から長女を巻き込む
公判で検察側は、美穂被告が同居する長女(当時11歳)に対し、殺害の機会をうかがって就寝中の氏家さんの体勢を確認させたりしていたことが明らかになりました。
「ママと一緒に死ぬ覚悟で」
その際長女には
「ママと離れるのが嫌ならパパを殺すしかない。ママと一緒に死ぬ覚悟で居てね」(氏家被告)
と話したということです。
長女は、これについて
「パパのことは普通に嫌いだったけど、好きなところもあった」
「パパを殺すのは嫌だった」
と心境を話しました。
氏家被告は、当初「「長女が『パパがいなくなればいいのに』と言った」と主張しましたが、弁護士に、「幼い長女が本心で自分の父を殺したいと思うわけがない」とたしなめられたといいます。
娘を父の殺害に加担させる罪
驚くべきことに、夫の殺害前に殺害の機会をうかがうために、氏家美穂被告は娘に、就寝中の氏家さんの体勢を確認させたりしたそうです。
さらに殺害後は、モルタル詰めにした夫をいれた袋、約100キロをクローゼットに押し込む作業まで長女にさせていました。
その後では、氏家被告はクローゼットに消臭剤を置くなどしており、長女にも遺体の臭いをチェックさせたりした、との検察側の指摘もあり、あまりのことに言葉が出ません。
この長女というのは、まだわずか11歳です。
検察側は「子どもを巻き込んだことは悪質だ」として、懲役25年を求刑。最終的に23年の刑が下されました。
氏家被告には自分の罪を償ってほしいと思いますが、氏家被告の娘さんには何と言葉をかけてあげたらいいのでしょうか。
「一人でできるかどうかわからなかった。最低なことをしてしまいました」と語る氏家被告に、「最低どころではない。これから長女はそれを背負って生きていく」と弁護士が告げたことを思い出すと、夫を殺した罪以上に子どもを殺人に加担させた罪の重さに胸がふさがれる思いがします。