東京都内で酒気帯び運転をしてひき逃げし2人に軽傷を負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で、「モーニング娘。」の元メンバーでタレントの吉澤ひとみ容疑者(33)が東京地検に起訴された事件で、吉澤ひとみ被告に懲役2年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。
ところが同時に、吉澤被告が飲酒を続けているということが判明したのです。
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「キッチンで酒を飲んでいた」と夫
吉澤被告は11月30日が初公判でした。その中で、吉澤被告の夫が、「事件前は毎日のようにキッチンで酒を飲んでいた」と供述。
吉澤被告はいわゆる、「キッチンドリンカー」だということが伝わっています。
さらに、吉澤被告の現在の飲酒量を聞かれた夫が、質問に対して「急激に減っています」と回答したことで、事件後も飲酒していることがわかったというのです。
「断酒か禁酒」の意見――和田アキ子さん
これについて、和田アキ子さんが番組内で、
「せめて禁酒か断酒ですよね、公判前は。酒が悪いわけじゃないんだけど、ご主人に対しても、お子さんに対しても断酒を…」
続いて、和田さんに話題を振られた勝俣州和も
「ちゃんと自分を見つめ直す時間をつくってあげないと。旦那さんもお酒を取り上げて、『一人で考えられないなら付き合うよ』っていう時間を持ってもいいかもしれない」
これらの意見を読んで思うことは、アルコール依存症については、なかなか知られていないということに気がつきました。
キッチンドリンカーとは?
キッチンドリンカーの定義は、
女性が料理に使っていたお酒を味見がてら飲んでいるうちに、その味にはまってしまいやめられなくなってしまう状態が生じるようになり、これをアメリカで、キッチンドリンカーと呼ぶようになった
と言われています。
しかし、吉澤ひとみさんの夫の表現する「キッチンで」とい鵜のを聞く限り、吉澤さんの場合はそれとは違います。居間でくつろいで飲んでいるというようなことではなくて、台所で飲んでいるとはどういうことか。
例えばのどが渇いたので、台所で水を飲むということはありますが、それと同じように酒を飲んでいるような状態なのでしょうか。
キッチンで飲酒する理由を推測すると
おそらく、吉澤さんの場合は、お子さんもいますから、妊娠中も含めて、台所で、旦那さんに隠れて飲んでいるということかもしれません。旦那さんが「居間で飲んでいることもある」とは言わない以上、旦那さんに見せたくないような場面や時間に台所で飲んでいるということなのでしょう。
あるいは、旦那さんに禁止をされていたり、飲酒を止められることがある。おそらくキッチンでの飲酒はそのようなことが理由でしょう。
吉澤さんの事件まえの飲酒は、これから朝、車を運転して仕事に行くというのに、残るほど飲んでいた。居間で飲んでいて、旦那さんがそれを見ていたらあるいは止めたかもしれませんが。
アルコール依存症の人には意見をしたくなるが
そして、和田アキ子さんが、「断酒か禁酒を」と言われたわけですが、これは普通の人には十分当てはまることで、意見としても普通の意見です。
また、勝俣さんが「お酒を取り上げて」というのも、これも、通常の飲んべいに対してなら、うなずけるものがあります。
しかし、アルコール依存症の人には、これらは、一部を除いては当てはまりません。
飲酒運転で逮捕されたのです。そして、この間まで拘置所にいたのです。そのあとの公判まで幾日もない。それなのに、お酒がやめられない。
つまり、それがアルコール依存症の症状であり、アルコール依存症の怖さなのです。これは意志ではどうにもなりません。そういう病気なのだと思います。
家族や周囲への配慮は二の次
さらに、和田さんが「ご主人に対しても、お子さんに対しても」といっておられますね。特に旦那さんには、保釈金300万円という高額な金額の保釈金を払ってもらっています。さらに、ネットに旦那さんの名前や会社名が出てしまったこともあって、旦那さんも社会的にとてもダメージを受けてしまった。
それらに対しても、普通の人なら感じることがあるはずです。いえ、感じているのかもしれません。
しかし、普通の人なら、そう感じたなら酒を飲まないで居られるでしょう。しかし、それができないから、キッチンで酒を飲む、アルコール依存症の人の場合は、そういう構図になるのです。
こういう風に書くと、アルコール依存症が病気である、そしてとても怖い状態だということが、伝わるでしょうか。
アルコール依存症の問題点
アルコール依存症のいちばん怖いところ、こわいと言うのが誤りであれば、困ったところは、そのような周囲の人との関係よりも仕事や家庭よりも、何より、お酒を飲むことが、まず第一の優先事項になってしまうところです。
そして、アルコール依存症を知らない人は、「俺がこんなに言っているのに」「上司がかばってくれたのにわかってくれないのか」と思って、それでもまた、依存症者が飲酒をしてしまうことで、相手を責めることになります。それでも酒がやめられないと、その関係は悪化してしまい、やがては関係の断絶を招いてしまいます。
そうすると、依存症の人にとっては、それが大きなストレスになります。すると、また飲酒が加速していくという悪循環になっていくのです。つまり、アルコール依存症の人を責めるのは、病気にとってはいけないことです。
そして、周囲の人は、依存症者に期待をするのはやめなくてはなりません。なぜかというと、「酒をやめられるはずだ」と期待することは、アルコール依存症者にとってよりも、自分の絶望を招く結果になるからです。
通常は人はそういう関係には堪えられません。なので、アルコール依存症者との家族との関係は多くはそこで断たれることとなります。しかし、絶望をすることは避けなければなりません。なぜなら、飲酒のパターンは、それはその人のせいではなく、依存症者ほぼすべてに起こる同一のパターンです。断酒会というところに行くと、参加している人は、皆似たような経験を語るでしょう。
アルコール依存症を治すのは
他の病気に比べれは、アルコール依存症を直すのは、ある意味、簡単なことです。
飲酒をやめればいい。断酒が唯一の治療法です。また、それ以外に治療の方法はありません。
依存症だとわかったら、断酒をすることです。人のため、仕事のため、そういう理由をつけないで、とにかく飲むのをやめること。
いちばん良いことは、やはり、断酒会に参加することです。もちろん、依存症のサポートをする病院もありますが、その上で、断酒会に参加してみることをおすすめします。
まとめ
「頑張ってほしい」と和田アキ子さんは言っています。確かに、テレビですので、そういう言い方になるでしょう。しかし、そのように口に出すと、そう言ってあげた相手が再飲酒をした時には、和田さんには、何という言葉が残っているでしょうか。
なので、アルコール依存症者の人には、関心は持ってあげても期待はしないでいることです。
アルコール依存症というのは、そのような人との関係性に大きな影響を与える病気でもあるのです。周囲の人は大変だと思いますが、本人が断酒を続けられるように見守る他にありません。