こんにちは。まるです。
山口県周防大島町で行方不明だった2歳男児を救出し、一躍時の人になった“スーパー
テーマは「お金について」であり、尾畠さんの第一声は「お金が好きです」に始まったので、びっくり。
けれども、よくよく読んでみたら、我々の考える「お金」と尾畠さんのお金は全く違うものでした。
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スーパーボランティア「お金が好きです」の真意
尾畠さんの大切なものの順番は、「1番大事なものは健康で、2番目は愛」。お金は3番目か4番目に”ボランティアをしたいので必要です”とのこと。
「ボランティアに必要」
というのは年金が月5万5千円。尾畠さんはボランティアの報酬は一切受け取らず、食事も自前、そして交通費も自分で支払うため、その場合の必要なお金とは、尾畠さんのお小遣いではなくて「ボランティアに必要」だということなのです。
自腹でお金を出しながらということになれば、それは「ボランティア」ではなくなってしまうということなのでしょうが、あまりに厳しいですね。
尾畠さんの生涯
次いで尾畠さんの78年の生涯が語られましたが、それは驚くべきものでした。
お母さんを小学5年生で亡くす
小学5年生の時に、尾畠さんはお母さんを41歳で栄養失調で亡くしています。
7人兄弟の子だくさんで暮らしが苦しかったためなのでしょう。
まもなく尾畠さんは農家に奉公に出されることになります。
中学校は4か月しか通えず
担任の先生の配慮で卒業証書はもらったそうですが、中学校には4か月しか通えなかったそうです。
尾畠さんは「卒業証書はいりません。体で飯を食うていく」と先生に言ったそうですが、卒業証書をもらえたのは、うれしかったと語っています。
先生が出席日数を「改ざん」してくれたそうですが、このような「改ざん」であればありがたいですね。
魚屋さんを開業
やがて農家を出た尾畠さんは、フグ職人の修行。身に着けた魚をさばく技術を買われて、魚屋さんに就職。
その後東京でとび職をしてお金をためて、大分県別府市に魚屋さんを開業。29歳の時でした。
そして、65歳で店をたたみ、魚の供養をして慰霊登山や奉仕を始めたといいます。
そこからがスーパーボランティアの道になるのですね。
尾畠さんの生活
尾畠さんは貯金もゼロだといいます。それからお酒も飲まない。
お酒は以前は飲んでいたそうなのです。しかし東日本大震災に参加して「酒なんか飲んでいる場合じゃない」。
そしてそれ以来お酒は止めてしまい、東北3県の仮設住宅がすべて取り除かれたときに、解禁しようと思っているのだそうです。
しかも、ボランティア中は、パックご飯とインスタントラーメンが主な食事。ご飯は温めるとガス代がかかるので、そのまま食べるそうなのです。
交通費が1万円くらいかかることもあるとのことなので、その残りから食費をねん出するとなると、節約する他ないのでしょうか。
ちなみにボランティアの謝礼や寄付などは一切受け取らないそうです。
幸せだから人に感謝
尾畠さんの話を読んでいて思うのは、尾畠さんが「幸せ」だということ。
「40歳の頃に誘われて行った冬山登山で大自然の雪原と青空を見て「幸せじゃなー」と思った」
自分が十分に幸せであり、それだから、感謝の念が沸いてくるということのようです。
51歳の中越地震の時から、ボランティアに本格的に参加したと言います。
大分から東北ですからすごく遠いのだけれども、よく思い切ったなあと思います。
尾畠さんの思う日本
今の日本は幸せな国じゃない。引きこもりや自殺者が多すぎる。自分の意思ではなくて、何かに動かされている人が多い感じがする。「死にたい」と言う人の話を数日間、聞くこともあります。「人生は、山、川、壁、曲がりくねった道がある。どうしても超えられない壁があったら、ぶち当たってつぶれる前にここに来て下さいよ。人生、終わるまで楽しみましょうよ」と言います。
これを読むと、皆が尾畠さんのように、生きがいを持って毎日生き生きと元気に暮らせればいいのになあ、と思います。
しかし、それには、尾畠さんのような心構えと強い意志が必要だと思わされますね。
命は一つ。人生は一度。せっかく親からもらった命を無駄にしちゃいけん。人生、一歩前へ。やらずにできないとは思わない。行動に移さないと、生んでくれた母に失礼です。
尾畠さんの場合は、そのような強い「信念」ともいうべきものを持っている。そして、尾畠さんにとっては、若くして亡くなったお母さんとボランティアがどこかでつながりを持っているような気がします。
尾畠さんの本が出版延期に
尾畠さんは現在寄付の申し出も断っているということです。
それから尾畠さんの様子を記した本が出るとのことなのですが、どうも、それも尾畠さんは好まないため、出版社が勝手に出すという動きがあったみたいで、現在は発売が延期になっているようです。
うーん、尾畠さんのことを記した本なら、ぜひ皆さんに読んでいただきたいですね。なんとかスムーズに刊行されるように願っています。
そして、78歳の尾畠さん、体を大切に、これからも楽しくボランティアに励まれてくださいね!