「ちゃんと」の「ちゃん」は元々何を表す言葉でしょうか。
林修先生が、グッドモーニングことば検定で解説しました。
「ちゃんと」の意味と由来をお知らせします。
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「ことば検定」今日の問題
5月2日は、ゴールデンウィーク真っただ中。最大9連休の人も。うらやましいですね。
一方、世の中皆が休日モードでも気を緩めず、ちゃんと仕事をする人も。はい、ワタクシまるもその一人です。
そこで今日は
「ちゃんと」の「ちゃん」は元々何を表す言葉?
というのが問題です。
ちゃんとの「ちゃん」、元々何を表す言葉?
青 物がぶつかる音
赤 父親
緑 批判哲学
ことば検定の答え
答えは 青 物がぶつかる音 です
それでは、「ちゃんと」の意味を解説していきます。
「ちゃんと」の意味の解説
ここから林先生の解説です。
「ちゃんと」の語源は「丁と」
「ちゃんと」は「ちょうど」とも似ていて、「丁と」という語が語源だそうです。
「丁々発止」ちょうちょうはっし という言葉がありますが、それと「丁と」も同じ言葉です。
「丁」は音を表す擬音
では「ちょうと」というのは、意味は何なのかというと、意味はないんですね、
丁とは「刀などで互いに打ち合う音」を表す音なのですね。
水を打つ「ぴしゃ」などという、音を表す音、それが擬音なのですが、「ぴしゃ」と同じです。
したがって、「ちゃんと」も同じく「物を続けて打つ音」が元々の意味なのです。
「ちゃんと」の意味
その、「ちょうと」が今では「ちゃんと」ということになっているのですが、意味はだいぶ違ってきた気がしますね。
辞書を引いてみると、大辞林では
ちゃんと(読み)チャント
( 副 ) スル
完全できちんとしているさま。
①まじめなさま。りっぱなさま。
②秩序正しく。まちがいなく。規則どおり。
③十分。
④危なげなく堅固なさま。しっかりと。
⑤すばやく。さっと。ちゃっと。
となっています。
一般的に「ちゃんと」に思い浮かべられるものはというと、「きちんとしている」とか「まじめ」が最初なのは辞書の通りです。
この、一番最後の「さっと」や「ちゃっと」は、最初に説明した擬音という説を裏付けるものとなっていますね。
「さっさとやりなさい」の「さっさ」も似ていて、この言葉も特に意味はないのですね。
「ちゃんと」や「さっと」は擬音由来の言葉だったのです。
カント「批判哲学」
なお、上記の問題の緑、 緑 「批判哲学」とは何かというと、 「ちゃんと」ではなくて「カント」だそうで、哲学者のエマニュエル・カントのことですね。
林先生が、カントの言葉を紹介しています。
「言葉は思想とともに発達する。言葉がはっきりしないのは思想が発達しないからである」
-エマニュエル・カント
まさに、この番組にピッタリの言葉です。
今までの”ことば検定”はこちらからご覧くださいね
それでは皆様、今日も一日、お元気でお過ごしください!