潜伏キリシタンと「かくれキリシタン」の違いとは オラショと皆川達夫 遠藤周作「沈黙」 - まるまる録

ニュース

潜伏キリシタンと「かくれキリシタン」の違いとは オラショと皆川達夫 遠藤周作「沈黙」

更新日:

 

2018年の世界文化遺産登録をめざす「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)について、ユネスコにより、「潜伏(せんぷく)キリシタン」が世界遺産と決まりました。

潜伏キリシタンについて、詳しく紹介します。

スポンサーリンク

「潜伏(せんぷく)キリシタン」とは?

潜伏キリシタンと、その関連の用語などについて詳しく記します。
 

「潜伏(せんぷく)キリシタン」とは?

江戸(えど)時代、九州西部の離島(りとう)などに住み、信仰(しんこう)の自由が認められる明治時代まで200年以上もの間、ひそかに信仰を守り続けてきたキリスト教徒のことです。

どんなものが世界遺産に登録されるのか?

信徒が暮らした集落や崇拝聖なる山や島、日本最古の現存教会など長崎・熊本両県の12資産とされています。

潜伏の理由と当時の状況

日本でのキリスト教の歴史は16世紀半ば、ザビエルの来日から始まりました。短期間に信徒が増えて一大勢力となり、それを警戒した江戸幕府は17世紀初頭、信仰を禁じて弾圧。
良く知られる「踏み絵」は、この信徒を判明させるための手段でした。厳しい拷問もあり、拷問中の死者も多数に及びました。

大勢の信徒が殺された島原・天草一揆のあと、生き残った信徒たちは追及の目を逃れて信仰を守るため、仏教徒などを装って信仰を隠さなくてはなりませんでした。

どんな信仰だったのか?

ラテン語や日本語が入り交じる「オラショ」という祈りの文句を唱えたり、独特の儀礼をしたり祖先をあがめたりと、一般に思い浮かべるキリスト教のイメージとはだいぶ違うとされています。
土着化して変質したとの見方、あるいは、当時のままの姿であるなど、研究者の間でも、意見が分かれているそうです。

カトリックや「かくれキリシタン」との違い

明治時代に禁教が解かれ、潜伏キリシタンの多くはカトリックに復帰しました。
しかし、カトリックの教徒とはならずに、それまでの伝統や風習を組織的に維持してきた人々がおり、その人たちと信仰とを、便宜的に「かくれキリシタン」と呼ぶそうです。

オラショについて

1970年代にキリシタンの音楽の研究を進め、「オラショ」を発見したのは、音楽学者の皆川達夫さんです。
NHK日曜日朝のFMラジオで「音楽の泉」のパーソナリティーをされている方です。
 
皆川さんは、実際キリシタンの里、当時長崎から6、7時間のところにある生月島に行って、彼らが唱えているような歌っているような節のあるもの、全部を唱えると1時間余りの「歌」を聞いたそうです。
 
それは、『らおだて』『なじょう』『ぐるりよざ』と題される聖歌のようなものでした。
一部は日本語なのですが、それ以外は言葉が何か、歌っている彼ら自身も「唐言葉(外国語)」であるという以外わからないし、もちろん意味もわからないままでした。
先祖が耳で聞き覚えたものを、その通り子供に口伝えで教えるとして、伝わってきたものなのです。
 
しかも発覚の際のキリシタンとされる証拠となるのを恐れて、紙に書き取ることはできず、何度も繰り返す必要がありました。そのため、昔は夜中に外に見張りを立てて教える者と教わる者とが布団をかぶってその中で習ったのだそうです。
 
皆川さんはそれを聞いて、ラテン語の聖歌ではないかと思い当たるところがあった。そして、それを皆川さんがまた「習う」、この場合は、歌を録音して、楽譜に起こしたわけです。そして判明したところをラテン語に置き換えていきました。
 
そのうちの『らおだて』と『なじょう』とが、それぞれラテン語聖歌の『ラウダーテ・ドミヌム Laudate Dominum (主をたたえよ=詩編一一六編)』と『ヌンク・ディミッティス Nunc dimittis (今こそしもべを=シメオンの賛歌)』であるということを突き止めた皆川さんは、残り一つの『ぐるりよざ』の楽譜を求めて、ヨーロッパのあちこちの図書館を訪ねます。
 
イギリス、フランス、ポルトガル、イタリア、とくにローマのヴァティカン図書館などと根気よく探しまわって、やっと七年目の一九八二年十月に、スペインのマドリッドの図書館のカードに、その歌らしいものを探し当てたときは、体が震えたと言います。
 
皆川 達夫『らおだて』『なじょう』生月島の歌オラショ『ぐるりよざ』の原曲となった16世紀のスペインの聖歌『オ・グロリオザ・ドミナ O gloriosa Domina (栄光の聖母よ)』というものでした。
 

それは、現在なお世界中に流布している標準的な聖歌ではなく、十六世紀のスペインの一地方だけで歌われていた特殊なローカル聖歌であった。それが、四〇〇年前にこの地域出身の宣教師によって日本の離れ小島にもたらされ、はげしい弾圧の嵐のもとで隠れキリシタンによって命をかけて歌いつがれて、今日にいたったのである。この厳粛な事実を知った瞬間、わたくしは言いしれぬ感動にとらえられ、思わずスペインの図書館の一室で立ちすくんでしまったのであった。

 

キリシタンについて書かれた本 

一番読みやすく、有名な書き手によって書かれたものは、遠藤周作のシリーズです。
そのうちの、日本に渡ってきた宣教師の運命をえがいた『沈黙』は前年にマーティン・スコセッシ監督によって、映画化されています。
 
 


遠藤周作なら、ぜひこちらもおすすめです。小説に近く書かれています。

クリックで応援よろしくお願いします
にほんブログ村 ニュースブログ 今日のニュースへ
にほんブログ村

-ニュース,

Copyright© まるまる録 , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.