話題とニュース

「あたしおかあさんだから」のぶみさん作詞の歌詞全文とその後の論調まとめ

更新日:

「あたしおかあさんだから」という歌の歌詞から、子育てに関するいろいろな体験談や意見が交わされるようになりました。

まずは、歌詞の全文をあらためて。それから、ここまでの経過をまとめてみます。

スポンサーリンク

「あたしおかあさんだから」歌詞の全文

ツイッターより https://twitter.com/

歌詞の後半です

ツイッターより https://twitter.com/

 

歌人の俵万智さん他のコメント

話題の「あたしおかあさんだから」に、俵万智さん他がコメントしたとの女性セブンの記事。

俵さんといえば、「サラダ記念日」の歌人で、男のお子さんのシングルマザーとして活躍しておられます。

おかあさん騒動に俵万智「SNS普及も子育て孤立化を後押し」

夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さんのコメント

おしゃれで華やかな母親も、歌詞に出てくる世界を地で行く専業主婦も、ともに子育てが孤独なんです。昔の3世代同居や大家族の時代には、地域社会で子育てを手伝ってもらうのが当たり前だった。でも、今は都会の希薄な人間関係のもと、一家の中だけで子供を育てようとする。親にけた違いのストレスがかかっているわけです。
頼る先もなく、ひとりで子育てをする母親たちの姿を、あの歌詞は是とした。だから女性たちから反発が起きたのです。表層ではなく、魂のレベルで現代の女性は孤独です。その痛みに僅かにでも寄り添っていれば、批判も少なかったのではないでしょうか」(池内さん)

俵万智さんのコメント

俵万智さんは、意外なことにSNSの影響を挙げています。

「母親たちの孤独化が進む一方でファッション誌では「子育て中でもおしゃれなママ」が喧伝され、SNSにはかわいいわが子の写真や子供を預けて夫婦で行った素敵なレストランの写真があふれかえっている」

そして、

本来は仲間を増やすツールのはずですが、子育てに限らず人生の楽しそうな部分やおしゃれな部分だけがSNSにアップされ、それを見た子育て中の母親が“私にはできない”と思い込んでしまったり。子育てがひとりではできないのは当たり前なのに、SOSを発しにくい状況に見えますね

狂言プロデューサーの和泉節子さんのコメント

男親にはない喜びを感じられるのが母親です。赤ちゃんが1年近くお腹にいるのだから、体形が変わるのは当たり前。おしゃれをしたいなら、子供を育て上げてからもう一回ゼロ地点から始めればいい。髪の毛を振り乱してでも一生懸命に子育てする。そういうお母さんはきれいです

お母さんになり切ってしまう、そういうご助言ですね。

確かに育児は平等でも、文字通り身をもって、出産を体験できるのは女性だけです。

ひとりではできない子育て 母も一人では生きられない

俵さんは特に、震災後に、宮崎市に移住されて、全く知らない新しい環境でお子さんを育てられた、そういう経験からも

子供がいない頃は、“ひとりで生きて行く力をつけよう”と考えていたけれど、子育てには必ず人の手を借りなければ乗り越えられない局面がやってくる。そういった経験を経て、“人と助け合う関係を築き、助け合うことを喜べることこそ、生きる力だ”と考えるようになりました。

と締めくくっています。

こうなると子育てというよりも、お母さんが、自分がどういう生き方をしたいか、ということがポイントになるのかもしれません。

「あたしおかあさんだから」に対する一般の意見

23日の新聞投稿欄に「あたしおかあさんだから」の歌詞についての投書があり、興味深く読みました。

タイトルは「耐える育児、批判されるべきは」というものでした。

耐える育児、批判されるべきは「母」なのか

「かあさんは 夜なべをして 手袋編んでくれた」(窪田聡作詞) 私が思い出す母の歌はこれだ。母はいろいろなことを我慢して私を育ててくれた。ぜいたくをした姿を見たことがない。だから「自分は母から大切にされている」という自己肯定感を自然に得ることが出来たような気がする。

先日、「母親になって自分より子どもを優先するようになった」という内容の歌が、「自己犠牲を賛美している」などとネットで酷評されたそうだ。これを知って疑問に思った。怒りの矛先は、果たしてそれで合っているのか?

母親だけが育児をしなければならない背景には、父親の長時間労働や、待機児童問題などが隠れているはずだ。だとしたら、企業風土や、国の政治の問題ではないだろうか。どうして、その大きな問題に怒らないのか?

育児に我慢はつきものだ。親に我慢してもらえなくて、育児放棄や、虐待されている子供が存在することを忘れてはならない。一番大切なのは「子供がまっすぐに育つ」こと。育児の責任を女性だけに押し付けて逃げている男性の姿が、今回の騒動の裏に垣間見えるような気がしてならない。―朝日新聞

この投書を読むと、お母さん本人が「・・・を我慢した」ではなくて、子供の方が「お母さんは何々してくれた」という歌詞だったら、共感を呼んだのかなという気がしないでもないですね。

 

フランスの夫婦と子供

以前に読んだことを思い出しました。フランス人の旦那さんと結婚してフランスに住んでいる方のライフスタイルについてです。

フランスの育児、というか子供との距離の取り方なのだけれども、フランスでは夫婦が単位で、子供はそれとは別という考え方になるそうです。

子供が第一の日本

フランスでは、子どもが小さいころから部屋も別。日本のように「川の字で寝る」というようなシーンはなく、子供をシッターに預けて、夫婦でコンサートや食事など夜でも出かけるそうなのです。

どこの国でも子育ての手間は同じなのだろうけれども、考え方の点で、子供が第一であるというプライオリティーの意識が、日本よりもずっと薄い気がします。

上の投書の方は夫の家族も近くに住んでいるのだけれども、赤ちゃんを置いて夫婦二人で出かけるのか、と批判されるようなこともまったくないそうです。

夫婦は、子供とはまったく別の単位であるらしく、育児のための時間の制限などは避けられないまでも、可能な限り子供ができる前と同じように暮らしているようです。

「母」イメージの違い

「あたしおかあさんだから」では、作詞の中の「あたし」の意識が、子供第一になっている。いえ、フランスのお母さんだってそれはそうだと思います。

しかし、多分フランスのお母さんは本人の意識が違う。

フランスのママンは「あたしはママンだから」などと言い聞かせるようなことは、自分にも周りにもしないのではないか。

そもそも日本では、子育て期間中に関わらず、「母」というアイデンティティーにこだわり過ぎる心性があるのではないでしょうか。

「私」を阻害する「母」のアイデンティティー

その結果、一つの家事仕事として育児があるのではなくて、「母」以前の「私」というものを阻害するような精神性がある。

それを裏返しに述べている「あたしおかあさんだから」に対してのリアクションは、そこから起こっているような気がします。

母という家事負担ではなくて、そのような心性を押しつけられている、と感じることそのものに問題があるのではないでしょうか。

「あたしおかあさんだから」というタイトルは、自らの声である前に、外から取り入れられた「声」なのです。

すべての母がそうなるわけではない

それから、子供を持っている人が必ずしも、上のような心境になるのかというのはそうではないように思います。

しかもそれは女性に特化した場合のことで、男性にはないことのように思えるのです。

育児中の女性と同じように、配偶者の死別や離婚で男性が育児の責任を負う場合もあります。

しかし、同様の育児の手間や責任はあっても、何か、女性が抱えている心性の根底とは同じようにはならない気がするのです。

 

「お父さん」にも同様にある縛りの心性

一方、「お父さんだから」についていうと、私たちの年代のお父さんは、育児以上に、家計負担の責任が今以上に格段に大きかったと思います。

「家長」と呼ばれて、経済面の負担を一手に引き受けていたのが一昔前までのお父さんの姿です。

今はそれほどではなくても、やはり尾を引いてはいるでしょう。

育児に参加しない男性がいるとすると、そのあたりに根がありそうです。良くも悪くも、自ら責任を感じる対照が違うのではないでしょうか。

育児に無関心なのではなくて、「お父さん」というプレッシャーを感じる部分が違うのです。

これからはむしろ、「おかあさんだから」ではなくて、「お父さんだから」と意識を促すことも必要になってくるのかもしれません。

しかし、その内容は今までのような家長的な「お父さんだから」とは意味が全く違ってくることでしょう。

オーダーメイドの価値観

あらためていうと、「お父さんだから」「お母さんだから」の内容は、個人、そして社会、その人の置かれた環境や社会情勢の移り変わりによって、上のように流動的であるということです。

それはそれぞれの人の意識によって、変化し、また固定させることもできます。

この歌詞に憤りを感じる人ほど、オーダーメイドの価値観に自分を合わせてしまっていたのではないでしょうか。

「あたしおかあさんだから」はきっと、外からの声に自らを合わせてしまった人の声なのです。

終りに

「お母さんだから」「お父さんだから」が、それぞれある特殊な心性を人に負わせる結果、それぞれのアイデンティティーを規定してしまうということは、誰にとっても苦しいものです。

「あたしおかあさんだから」の歌詞をきっかけとして、あらためて広く考えてみようではありませんか。

様々な意見を参考にして、既成観念に縛られない、それぞれの母と子どもの関係を模索していきましょう。

関連記事



-話題とニュース

error: Content is protected !!

Copyright© まるまる録 , 2021 All Rights Reserved Powered by STINGER.