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すこぶるの意味は「少し」? 漱石の「坊ちゃん」での用例を見る

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昨日のことば検定の出題は「頗る すこぶる」。

林修先生が「意味はまあまあという意味です」と答え、聞いていたタレントが「とても」だと思っていたといったが、先生はノーコメント、という一幕があったそうです。

ただ、すこぶるの意味を「少ない」と思っている人は、少ないのではないでしょうか。

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広辞苑で調べると、

頗る【頗る】《副詞》
1.やや多く。少しく。やや。軽く。
おそらく番組で伝えたのはこちらの方。

そしてもうひとつ。
2.おびただしく。はなはだ。よほど。
多くの人が使っているのは、こちらの方だと思います。

夏目漱石の「坊ちゃん」より、「すこぶる」が使われている部分を挙げると

それを思うと清なんてのは見上げたものだ。教育もない身分もない婆さんだが、人間としてはすこぶる尊たっとい。

赤シャツは顎を前の方へ突つき出してホホホホと笑った。何もそう気取って笑わなくっても、よさそうな者だ。「それじゃ、まだ釣りの味は分らんですな。お望みならちと伝授しましょう」とすこぶる得意である。

ざっと見てみても、どちらも「たいへん尊い」「とても得意」の意味で使われていることがわかります。

推測ですが、かなり古い時代に「少ない」の意味で使われていたものが、次第に「ひじょうに」「とても」の意味で使われるようになったものではないかと思います。

数学とは違って、言葉の意味には、必ずしも正解はなく、用法の点で「来られる」→「来れる」のように変わっていったものや、「やばい=とてもよい」のように、意味が変わっていっているものもあります。

最初は一部の「若者言葉」とされたり、「誤用」ではあっても、時間をかけて定着すれば、辞書にも載るようになるのです。

「すこぶる」が広辞苑では、正反対ともいえるその両方が記載されているということは、その変遷も含めて、記録されているとも言えるかもしれません。

興味深い例の一つです。

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