だるいの漢字は? ネプリーグ問題 古代からある類語「たゆい」 - まるまる録

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だるいの漢字は? ネプリーグ問題 古代からある類語「たゆい」

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こんにちは。*短歌のこと*まるです。

月曜日夜のネプリーグで「だるい」という言葉の漢字が問題になったため、ネット上で話題になりました。

だるいは最近では若者言葉と化しているようで、ダルイと書かれることも多く見かけますので、漢字を、と言われると、意外に思うのかもしれません。

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漢字は「怠い」または「懈い」

「不活発という意味の英語の「dull」だという話は本当でしょうか」という質問も見かけますし、発想としてはおもしろいところですが、意味と発音の共通性は見いだせても、別物です。
「だるい」の語源は古い言葉です。

漢字は「怠い」または「懈い」と書きます。後者の方が古くから使われているかもしれません。

その二つを合わせた「懈怠」という言葉もあります。「けたい」と読みます。

「怠い」は形容詞ですが、「懈怠」はその名詞なので、「だるさ」というような意味です。

「懈い」は「たゆい」

古い言葉では「懈い」は、「たゆい」と読まれました。
基本形は「懈し たゆし」。

今の言葉で言えば、「たゆみなく」または「たゆむことなく」という言い方がありますね。

その場合の漢字は「弛みなく」ですが、語源と意味は同じで、

勢いが弱まったり、心が萎えたり、怠けたり、といったことがないさま。いつまでも変わらない勢いや強さ、誠実さを保ち続けるような様子

のことです。

短歌の中の「懈し」

日本で一番古い集「万葉集」にも、この言葉を使った歌が載っています。


都辺(みやこへ)に君は去(い)にしを誰が解(と)けか吾(あ)が紐の緒の結ふ手たゆきも
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(みやこへ君は行ってしまったのに誰が解くのだろうか。私の衣の紐が解けて結ぶ手がだるくなることだ)

近代短歌なら、アララギ派の古泉千樫(こいずみちかし)の短歌

喉ふとの汽笛諸方(しよほう)に鳴れりけり懈(たゆ)さこらへて朝の飯はむ
(喉に笛が鳴るように音が鳴る。だるさをこらえて朝の食事を食べよう)

みしみしと吾児(あこ)に蹠(あしうら)を踏ませけり朝起きしなの懈(たゆ)さ堪へなくに
(みしみしと我が子に足の裏を踏ませたのだった。朝起きしなの怠さが耐えがたいので)

古泉千樫はが晩年結核を病んでいた頃の歌で、気分的なものではなく、これは体に実際のだるさがあったのでしょう。

近年の短歌だと、三宅奈緒子さんの短歌が忘れられません。


夜半上るエレベーターの灯の下にたゆきもろ手を垂れてわがをり

夜中に上っていくエレベーターの明かりの下に、だるい両手を垂れて私がいる

夫君を看取った時期の歌で、体よりも、むしろ、気持ちに重いものを抱えていたのでしょう。

***
「怠い」は、マイナーな気分や状態を表す言葉ですが、人は誰にでもそういう時があります。

臆せずに、その時その時の状態を、適切な言葉を取り入れて、歌に詠んでみてくださいね。

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